がんが日本人の死因のトップになってから、20年以上が経過した。このため、がん=死の宣告と思っている方も多いようだ。しかし決してそんなことはない。まずはこの思いこみを、科学的に振り払うことから始めよう。地球科学で世界的に著名なジェイン・プラント博士に、1987年9月、42歳のとき乳がんが発見された。通常どおり彼女は、手術、放射線、抗がん剤による標準治療を受けた。

Dr. Jane Plant

乳房の全切除と、さらなる3回の手術。そして35回の放射線療法と、12回の抗がん剤療法を受けた。これだけやればもうだいじょうぶのはず。彼女もこれで全快すると期待したのだが、そうはうまくいかなかった。乳がんの再発は4回におよんだ。

いくら標準治療を続けても、がんの再発はおさまらなかった。死なないためにどうすればいいのか。彼女は科学者としての経験と知識をフル活用し、乳がんの原因を突き止めることを決意した。彼女は文献を調査していくうちに、中国人は乳がんにならないという事実を発見した。これをヒントにさらに調査を進め、中国人は乳製品を食べないことに気づいた。
すばらしいひらめきだ。もともと彼女は超一流の科学者である。彼女は、さらに乳がんに関する膨大な文献を徹底的に調査し、ついに乳がんの原因は乳・乳製品の摂取であるという結論に達した。結論が出たらどうするか? 行動するのみである。

1993年、彼女は乳・乳製品を完全に避け、食事を健康的なものにすっかり変えた。たとえば、がんを発生させやすいとされる物質を含む食品を摂取しない、有機的に生産された農作物を新鮮なうちに食べる、ファイバー(食物繊維)、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどが失われていることの多い精製された食品、缶詰、保存食品、焼きすぎた食品をできるだけ摂らない、など。なお、ファイトケミカルは植物に含まれ、私たちの健康を増進するのに活躍する天然物質の総称である。

さて、結果はどうだったか。新しい食事に変えてから、彼女の乳がんはまったく再発しなくなった。2014年の現在もそうだ。そればかりか、63人の乳がんになった女性に彼女の作成したレシピによる食事を実践してもらったところ、乳がんを再発した人は1人もなかった。

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