食事療法によって末期がんを克服した例を紹介する。
レニーと結婚して32年になる妻は必死だった。夫が重い膵臓がんにかかり、余命数カ月と死の宣告を受けたからだ。がんがあまりに進行していたため、実験的な医療さえ受けさせてもらえない。がん専門医も手の打ちようがなく、さじを投げた状態だった。

だが、レニーと彼の妻は、カナダのサント・ジャスティーヌ病院の生化学者リシャール・ベリヴォー博士と長年の友人だった。切羽詰まった彼の妻はベリヴォー博士に電話をかけ、助けを求めた。そしてレニーは、友人のベリヴォー博士が治療法を提案すれば、たとえ実験的な治療法であっても、それを受け入れる覚悟ができていた。

Dr. Richard Beliveau

ただちにベリヴォー博士は国際データベースを丹念に調べたが、重度の膵臓がんに関するデータはほとんどなかった。ベリヴォー博士はレニーの妻に電話し、情報が得られなかったことを告げた。

すると、レニーの妻はこう食いさがった。「先生が食べ物の抗がん効果に興味をもっていることを聞きました。私は最後の最後まで、毎日、レニーの世話をするつもりです。だから、治療効果があると思われるものならなんでも試したいの」

ベリヴォー博士は、週末の2日間メドラインのデータベースを徹底的に調査し、抗がん効果が証明されている食べ物についての論文を収集した。そして論文を分析し、「抗がん効果のある食べ物」のリストを作成した。どんな食べ物だったのでしょう。

ベリヴォーがリストアップした「抗がん効果のある食べ物」は、キャベツ、ブロッコリー、ニンニク、緑茶、ターメリック、ブルーベリーなど。

月曜日の夜、ベリヴォーはレニーの妻に電話をかけ、このリストを伝え、「毎食ごとに、このリストにある食べ物を食べること。ときどき食べる程度ではダメで、1日3回きちんと食べること」と説明した。
加えて、彼は決して食べてはいけないものも教えた。植物油だ。植物油の主成分リノール酸はオメガ6(オメガ6脂肪酸)と呼ばれ、炎症を促進し、がんを悪化させるからである。ただし、植物油でもオリーブ油、カノーラ油、アマニ油はオメガ6が少ないので食べてもよい。

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