うまいものを食べはじめると、なかなかとまらない。だれでも経験があることでしょう。では、うまいものはどうして食べ過ぎてしまうのか? これについては、もう50年以上も研究がつづけられている。まず、1955年、うまいものが私たちの脳を刺激して過食させるという画期的な論文が発表された。1979年、腸内の食べものが脳を刺激し、気分をよくする脳内麻薬を放出させ、これが依存症を引き起こし、過食させるという理論が提出された。そして1990年代に入り、この理論を支持するいくつもの有力な証拠が発見された。要するに、うまいものが脳に働いて依存を引き起こし、過食させるということだ。


by Pixabay

砂糖をたくさん摂取すると、食事をコントロールする人体に備わった能力がしだいに損なわれ、過食するようになる。これが、世界中で肥満が急増している原因のひとつである。このことを食品業界は公式には決して認めない。タバコ業界がニコチンの依存性を利用して巨額の利益を得たのと同じように、食品業界は砂糖の多い食品を販売しているのである。

彼らは、食品をできるだけ魅力あるものにしようと懸命の努力をしている。チョコレートの製造会社は、もっとも魅力のある味を出すことでチョコレート依存症をつくり、依存症から逃れることのできない、砂糖と油の組み合わせを研究するのに長い時間と巨額のカネをかけている。

コーラやサイダーの製造会社は、カフェインと砂糖という依存性物質を商品に大量に入れて顧客を離さないように必死だ。彼らがビジネスをする唯一の理由は、「お金を儲けること」である。これらの食品や飲みものには依存性がある。

多くの人は、ある子どもがこのような食べものや飲みものに他の子どもより誘われるのは、甘やかされて育ったか、意志が弱いからだと思うかもしれない。その考えは完全に間違っている。本当は、食べものに依存性のある砂糖という物質が含まれているからだ。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録はお済みですか? 会員について