長時間労働は日本の死の文化なのか?
2017年10月4日、NHKは突如として同社の記者、佐戸未和(さどみわ)さん(当時31歳)の過労死を公表した。じつは、彼女は2013年7月に心臓マヒでなくなったのだ。月に160時間におよぶ超過勤務の後の悲劇だった。日本の労働者は休暇が短く、長時間労働するのが当たり前になっている。このライフスタイルが過労死を生む。
過労死したNHK記者、佐戸未和さん 遺族提供
過労死の最初の報告は、1969年に大手新聞社の配送部門で働く29歳の男性が、心臓マヒで死んだ事例とされるが、当時、この言葉はなかった。この言葉が作られたのは、過労によって脳卒中や心臓マヒで死ぬ人が続出した1978年のことである。そして1980年代になると、わが国でブルーカラーの死が相次ぎ、この言葉は、「Karōshi」として世界的に知られるようになった。厚労省は、2013年までに日本で196人が過労死していると発表しているが、運動家たちは、過労死による年間の死者は1万人を超えると主張する。
2014年、過労死を防ぐために、雇用主に従業員の労働時間を減少させる「過労死等防止対策推進法」という法律ができた。しかし、この法律に従わない雇用主への罰則がないため、ザルだ。日本の4分の1の企業は、ある従業員は月に80時間も超過勤務をしていると答えている。
だが、超過勤務は日本だけの問題ではない。ある調査で40%近くのトルコ人は週に50時間以上働くと答えている。表向きだが、週に50時間以上働くと答える日本人は21%に過ぎない(1)。
しかも日本の労働者の平均的な労働時間は、年間1745時間で、1位はメキシコの2,226時間には遠く及ばず、アメリカの1790時間よりも少ない(2)。それで、なんで日本人は過労死するのか?
日本人は生物学的に弱いのか?