分子栄養療法のパイオニアはもちろんライナス・ポーリング博士だが、もうひとりのパイオニアがカナダのエブラハム・ホッファー博士である。ふたりはよき友人であり、心の病の治療だけでなく、がん治療でも共同研究をして大きな業績をあげた。

1950 年代、ナイアシンというビタミン( B3 )が欠乏することによって、ペラグラが発生することが知られていた。ペラグラは、皮膚が荒れ、下痢が起り、心が混乱し、記憶障害におちいる病気である。ナイアシンを服用すれば、この症状から回復するが、もし欠乏を放置すれば、患者は死ぬ。

ホッファーは、ペラグラを心の病と見抜いた。そして彼は、ナイアシンの服用でペラグラを予防できることを統合失調症の患者の治療に応用した。これは、天然の物質が心の病(精神障害)の発生を防ぐことを示す好例のひとつである。1962年彼は、ナイアシンを統合失調症の治療に用いて成功した。

欧米を中心に「分子整合精神治療」は、統合失調症ばかりでなく、うつ病、双極性障害、不安障害、ADHDなどの治療にも用いられ、大きな成果をあげている。それなら、「分子整合精神治療」とアメリカ精神医学会は協力しあって心の病にかかっている患者の治療を進めるものと思うだろう。だが、そうはいかない。

Dr. Abram Hoffer

ホッファーが統合失調症協会をカナダとアメリカに設立した直後の1967年、彼は「統合失調症雑誌」を創刊した。彼は自分たちのグループの専門雑誌を創刊せざるをえなかった。なぜか? それまで彼は一流の医学雑誌に150以上もの論文を発表していたのだが、精神医学会も医学界も彼または彼のグループの研究者の論文の専門雑誌への掲載を拒絶するようになったからだ。論文の掲載が拒絶された理由は何か?

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