長い間、慢性ストレスは肥満を引き起こすといわれてきた。ストレスにさらされた人は過食する傾向にある。そんな人は、脂肪、砂糖、カロリーの高い「快適な食べ物」を口にしがちである。ストレスホルモンのコルチゾールは、代謝だけでなく、体のどこに脂肪が蓄積するかにまで大きな役割をはたしている。

ちなみに、核爆弾の攻撃をちらつかせ、アメリカ、日本、韓国などの諸国を恐怖に陥れている北朝鮮の独裁者金正恩氏がやたら太っているのは、彼がアメリカに命を狙われているという恐怖によるストレスが、原因のひとつと思える。

コルチゾールと肥満の関係を追求したこれまでの研究では、血液、唾液、尿中のホルモンを測定してきたが、この数値は日内変動するだけでなく、ストレス以外の要因によっても変化する。だから、こういった研究からは、コルチゾールの長期にわたる体への影響を調べることはできない。1日や2日、コルチゾールが高いからといって肥満になるとは考えられない。

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コルチゾールの長期にわたる影響を調べるには、毛髪中に含まれるコルチゾールを測定すればよい。
今回の研究対象となったのは、イギリスにおける老化の経時的な研究に参加した54歳またはそれ以上の2527人の男女である。この研究では、被験者の最も頭皮に近い部分の2センチの毛髪をサンプルとして採取した。この長さは2ヶ月間の毛髪の成長に相当し、この間に蓄積したコルチゾールをあらわす。

研究者は被験者の体重、BMI、腰回りと毛髪中のコルチゾールを測定した。どんなことがわかったのか?

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