アメリカ心臓協会の会長、52歳、が心臓マヒで倒れた!
ショッキングなニュースだ。2017年11月13日、アメリカ心臓協会(American Heart Association, AHA)の会長で心臓医のジョン・ワーナー氏が、52歳の若さで心臓マヒで倒れたのだ(1)。それもワーナー氏がカリフォルニア州アナハイムで開催された健康カンファレンスでスピーチ中で倒れたいうのだから、健康パラドックスというほかない。

ワーナー氏は地元の病院で搬送された。彼の閉ざされた動脈にステントが入った。AHAは、ワーナー氏の状態は安定していると発表した。ところで、健康カンファレンスでのサイエンス・セッションにおける彼の話の内容は、自身の家族と心臓病との関係についてだった。


AHA President Dr. John Warner

彼は、こう話した(2)。「私の息子が生まれ家族や親戚が集まった時、私はあることに気ずき、当惑した。年寄りの男性が私の側にも妻の側にもひとりもいなかったのだ。家系図は心臓病によって寸断されていた。家族が集まった時に、高齢の男性や高齢の女性がいるのは普通のことだ。十分に長生きし、健康でいて、孫やひ孫と一緒に散歩したり、旅行に出かける。言い換えれば、私は、子どもが育ち、私の愛する多くの親戚たちに囲まれることを期待している」

AHAのCEOナンシー・ブラウン氏は、こう述べた(3)。「ジョンは、この件が皆様に重要なメッセージとなることを望んでいる。それは、これまで心臓病への対策に多くの進歩があったが、まだ多くが残ったままであること」

AHAの多くのアドバイスが、じつは健康を害している
AHA会長であるワーナー氏は、AHAのアドバイスにしたがった生活を送っていたと思える。だが残念なことに、そのアドバイスの多くは心臓を守るのではなく、逆に、心臓病を引き起こすものなのである。冗談のようだが、本当の話だ。

心臓病を引き起こし、動脈を詰まらせることが科学的に証明されている食べ物は、砂糖、ほとんどすべての加工食品に含まれる工業的に加工されたオメガ6の植物油である。これらがAHAのアドバイスリストの上位を占めている。AHAは心臓を守るのにどんな食品を推薦しているのか?

具体的に見ていくと、AHAが勧めているのは、多くの穀物を摂取するだけでなく、有害なカノーラ油(ナタネ油)、コーン油、ダイズ油、サンフラワー油などの摂取である(4)。これらを混ぜたものが「植物油」として販売されているが、これも良い選択だ、とAHAはいう。そしてAHAは、飽和脂肪を避けるべきだと主張し続ける。

2017年の夏のことだ。AHAが発信したアドバイスが世界中の健康の専門家を驚かせた(5)。どんなアドバイスかというと、心臓病のリスクを低下させるために、バターやココナッツ油を避けるべきで、これらの脂肪をマーガリンや植物油で置き換えるなら心臓病のリスクが30%低下するというもの(6)。

全体的にAHAのアドバイスは、1日に摂取する飽和脂肪を摂取総カロリーの6%またはそれ以下にするようにというもの。もしワーナー氏がこの時代遅れもはなはだしいアドバイスにしたがっていたのなら、心臓マヒで倒れるても不思議ではない。

この文書について、サイエンスライターのギャリー・タウベ氏はAHA と激しく戦い、そしてAHAが長い間維持してきた偏見を明らかにした(7)。この偏見がAHAを間違った結論に導いたというのだ。
どういうことなのか?

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