オメガ3は健康にいい、しかもサーモンに豊富に含まれている。サーモンこそ、みんなが積極的に口にすべき食べ物である、というべきなのか? この結論は半分正しいが、半分間違っている。健康にいいのは天然サーモンであって、養殖サーモンではない。養殖サーモンはむしろ食べてはいけない食べ物である。養殖サーモンは健康によいというより、むしろジャンクフードに近い (1,2)。

養殖業者は私たちを騙してきた。その手口を最も顕著に示すのが、養殖サーモンである。食品検査をしたところ、今日の養殖サーモンは世界で最も有毒な食品のひとつであることが明らかになった。要するに、養殖サーモンは健康によい食品というよりも、ジャンクフードに限りなく近いというのだ。

養殖サーモンについての問題は次の通り。 

1. 2004年1月、インディアナ大学の科学者が世界で流通している養殖サーモンを検査し、13種類もの「残留性有機汚染物質」が魚の身に含まれていたことを「サイエンス」誌に公表した(3)。そして養殖サーモンのPCB濃度は天然産の8倍にも達していた。

論文の著者は、こういう。「リスク分析をすると、養殖アトランティックサーモンを食べることは、健康への利益よりもリスクが高い」

PCBは人体に有毒であることはよく知られているが、どれほど有毒なのか。国際がん研究機関とEPAは、PCBを「おそらく発がん性」のグループに分類している。

2.ノルウエーにあるベルゲン大学の毒物学者ジェロム・ルジンがノルウエーで販売されている食品に含まれる毒物をテストしたところ、養殖サーモンに含まれている毒物量は他の食品の5倍にも達していた。この後、ルジンは養殖サーモンを口にしなくなった。

3. 2011年、ルジンのグループは、養殖サーモンを継続して摂取したマウスに、インスリン抵抗性、血糖値の不安定、肥満が発生することをPLOS ONE に発表した(4)。これは、「残留性有機汚染物質」によるものと考えられる。

ルジンは、こういう。「養殖サーモンを摂取すると、2型糖尿病、肥満、メタボリック性の病気が発生しやすくなる。おそらく、残留性有機汚染物質がおもな要因である。インスリン抵抗性の予防と治療のための栄養学的な戦略を作成するのに、この発見が役立つことを私は望んでいる」

 

海を汚染し、人体を病気を招く 

ノルウエーで尊敬されている環境保護活動家のひとりガート・オデカルブは、サーモン養殖は環境にも人類にも大きな災害であると主張する。サーモン養殖場の下には約15メートルに達する廃棄物の層が存在する。廃棄物はバクテリア、薬、毒物、農薬でいっぱいで、これが養殖場に漏れ出る。

このようなサーモン養殖場がノルウエーのフィヨルドにたくさん存在する。養殖場は開かれた海に接しているので、汚染は養殖場だけにとどまらず、海洋にも広がる。養殖サーモンは、あなたの健康に直接影響する。これまで魚は健康によい食べ物と考えられてきたが、食品検査で明らかとなったのは、今日の養殖サーモンは世界で最も有毒な食品のひとつであることだ。 

ニコラス・ダニエルが彼の作成した「養殖魚のドキュメンタリー」で述べているように、集中的な養殖と世界的な海洋汚染によって私たちの食べる魚の身は「死の薬品カクテル」に変貌した (1)。 

2004年1月、養殖サーモンの世界的アセスメントにおいて13種類もの残留性有機汚染物質が存在することが「サイエンス」誌に公表された(3)。養殖サーモンと天然のサーモンは名前と形は似ているものの、まったく違ったものと理解しなければならない。 

養殖サーモンは健康によいオメガ3の供給源というより、むしろ災いの元である。それは、オメガ3よりもはるかに多くのオメガ6を含んでいるからだ。たいていの人がオメガ3不足でありながら、養殖サーモンを食べることで、さらに多くのオメガ6を摂取することになる。こうして、過剰なオメガ6の摂取が健康問題を引き起こしている。

サーモン養殖は資源保護の解決策ではない

日本人とアメリカ人が食べる魚の半分以上は養殖魚である。水産養殖は乱獲への持続的な解決策であると自己宣伝しているが、本当のところ養殖は解決するより多くの問題を引き起こしている。 

なぜか? 養殖魚を育てるのに必要なエサの大部分は、天然魚である。1kgの養殖サーモンをつくるのに1.5~8kgの天然魚を必要とするから、水産養殖産業は天然魚の資源を守るというより、天然魚の枯渇を促進している (4)。

しかも養殖魚は病気にかかりやすい。養殖場だと200万匹以上のサーモンをわりと狭いスペースに飼うことができる。陸地の農場の込み入った場所で飼われている動物と同じように、ストレスのかかった魚の養殖場の魚に病気が広まりやすい。寄生虫、膵臓炎、伝染性サーモン貧血ウイルスが、ノルウエーで全体に広がっている。だが、消費者はこの魚の病気を知らされていないから、病気の魚は販売され続けている。

その上、病気を引き起こすバイ菌を退治するために、多くの農薬が大量に使われている。ある農薬は神経毒である。その証拠に農薬を散布する人々は、全身を特別の作業着を着用して仕事にとりかかる。その一方で、これらの化学物質が無造作に解放水域に捨てられている。 

ここで使われている農薬は毒物である。魚の遺伝子DNAにダメージを与え、突然変異を引き起こす。異常な形のタラ(変態タラ)もよく見られる。じつに、養殖タラの半数が変態と推測される。さらに悪いことに、メスのタラが養殖場から逃走し、天然タラと交配する。こうして突然変異と変態が自然界に拡散を続ける。

 

養殖魚と天然魚は栄養成分において大きく異なる

養殖サーモンは見た目には悪くない。だが、様子がおかしい。たとえば、養殖サーモンを手で力を加えて曲げると、身が容易に崩れ、砕けてしまう。異常である。異常は形態ばかりか、栄養成分にも及んでいる。

天然サーモンの脂肪は5~7%であるが、養殖サーモンの脂肪は14.5~34%に達する。養殖サーモンは天然サーモンの2〜5倍も脂肪がついている。この差は一目でわかる。脂肪量が増えたのは、特別に加工された高脂肪のエサを養殖サーモンに与えたからである。問題は脂肪量だけではない。脂肪の質にも問題がある。

天然サーモンは炎症を抑制するオメガ3が豊富なのに対し、養殖サーモンは炎症を促進するオメガ6が豊富なのだ。

その理由もわかっている。養殖サーモンのエサは、ダイズ、ナタネ油、サンフラワー油、コーングルテン、ウイートグルテン、パーム油、ピーナッツ油、豆類で、オメガ6が豊富なのだ。また、これらは天然サーモンが自然界で決して出くわすことのないものでもある。

本当の悲劇は、偏ったオメガ3とオメガ6の比率である(6)。天然アトランティックサーモンの半身は、3996mgのオメガ3と341mgのオメガ6を含んでいる(7)。しかし、養殖アトランティックサーモンは4961mgのオメガ3と1944mgのオメガ6となっている(8)。

養殖サーモンのオメガ6は天然サーモンの5.7倍にも達している。ヒトの健康のためには、オメガ3とオメガ6の両方が必要だが、両者の比率もまた重要だ。理想的な比率は1:1である。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録はお済みですか? 会員について