病気の原因の7割はストレスが原因だという。ストレスを軽減するのに快眠は欠かせない。言い伝えによると、サンマやサバをサニーレタス(サンチュ)に包んで食べると、よく眠れるという。早速、私はこれを試してみた。じつに、良く眠れた。というわけで、このしくみを調べてみた。

まずは、サンマやサバの効果から見ていこう。

オメガ3の睡眠効果 Pixabay

睡眠に及ぼす魚油の効果
サンマやサバが眠りを誘うのは、その成分である魚油にある。これまで魚油の健康効果が称賛されてきたのは、血圧とコレステロール値を下げるなどによって私たちを心臓病から守るからである。それから、魚油はうつやそううつなどの気分障害を改善することでも知られている。

だが、あまり知られていないのは、魚油が睡眠パターンをコントロールし、睡眠の質を高めることだ。こう主張する根拠をあげると、さまざまなホルモンや伝達物質を作るのに、脂肪酸が深く関係していることにある。

睡眠不足になるとどうなるのか?
ハーバード大学医学部とブリガム・ウーマン・ホスピタルで睡眠学を研究するローレンス・エプシュタイン医師によると、アメリカ人の5人に1人の睡眠時間は6時間以下であるという。日本人はどうか。2015年の厚生労働省の調査によると、1日の睡眠時間が6時間以下という人の割合は39.5%だったから、睡眠不足は日本人の方がアメリカ人よりも顕著である。

睡眠不足を引き起こす要因はいくつもある。たとえば、痛み、ストレス、不眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなど。睡眠不足になると、昼間、本来の能力を発揮できなくなるだけでなく、健康にとって多くのマイナスの影響を及ぼす。

だから、睡眠のはく奪によって、心臓病、糖尿病、うつ、肥満などが誘発される。睡眠不足は、健康のあらゆる面でマイナスとなる。なぜなら、不十分な睡眠は、しばしば運動不足と不健康な食事にもつながるからだ。

オメガ3の不足
EPAとDHAに代表されるオメガ3が不足すると、生体の機能を正常に保てなくなる。EPAとDHAは魚油に豊富に含まれる。魚油は青魚を食べてもいい。もし青魚がイヤなら、サプリメントで補うこともできる。

モニーク・ラビアレ博士のグループが2008年に発表した論文によると、ハムスターにオメガ3不足の食事を与えると、脳の松果体からのメラトニン放出のリズムが乱れる、体内時計が狂い、夜間の睡眠に障害が発生した(1)。

では、魚油はどのように睡眠を助けるのか?
魚油は、メラトニンの放出を促進する。メラトニンは睡眠と覚醒のサイクルをコントロールする。このため、メラトニンは不眠とジェットラグの治療に利用されている。そして魚油の成分EPAとDHAは、ノルアドレナリンレベルを下げる。

ノルアドレナリンは、Fight or Flight 応答の際に放出されるストレスホルモンである。ノルアドレナリンが放出されると、心拍数が上がり、瞳孔が開く。ノルアドレナリンがたくさん放出されると、興奮するため、良好な睡眠が妨げられる。こうして昼間に元気がなく、ウトウトするようになる。

WHOは、1日0.3~0.5gのEPAとDHAを摂取することを推奨している。1日に食べる魚の量だが、サケだと200g、ホッケだと100g、マイワシ、ニシン、ブリだと50g、サバだと30gとなる。

では、サンチュ(サニーレタス)の眠りへの効果はどうか?

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