人には自然治癒力が備わっている
切れたアキレス腱が自然につながったことから明らかなように、治癒は体の外部からやってきたものではなく、体の内部から湧きでる命の泉のようなものである。
キズ、骨折、ねん挫、出血などのケガによって体はバランスを失うが、これをもとの状態にもどす力が自然治癒力である。自然治癒力は、「生きる力」「生命力」「抵抗力」と言い換えることもできる。だから、病気からの回復の早い人というのは、「生きる力(生命力、抵抗力)」の強い人と呼ぶことができる。
出典:「マンガでわかる自然治癒力のしくみ」生田 哲、SBクリエイティブ
自然治癒力には、キズ口をふさぐ、骨折した骨と骨をつなぐ、皮膚の破れをもとどおりにするといった修復と、出血を止める自己再生機能、それと人体の外部から侵入してくるウイルスやバクテリア(細菌)に代表されるバイ菌や人体の内部で発生するがん細胞をやっつける自己防衛機能がある。この自己防衛機能の主役が免疫系である。
免疫系はどこにあるかというと、特定の器官にあるのではなく、病気から人体を守るために全身に配備されている。
バイ菌の代表といえば、食べものといっしょに体内に入ってくる食中毒菌、カゼの原因となるカゼウイルスである。がん細胞は正常細胞が変身してできたもので、体の内部で絶えずできている。ある説によると、人体では1日に約5000個のがん細胞が誕生しているという。