甘—い砂糖は脳と体の健康を損なう毒物だった!
ドーナツやチョコレートを食べはじめるとなかなかとまらない。誰でも経験があるだろう。では、うまいものはどうして食べ過ぎてしまうのか? うまさは砂糖の甘さに由来する。最近、ネズミを使った実験で、砂糖に依存性があること、しかもその強さは、コカインをも凌(しの)ぐことが証明された。困ったことに、砂糖は健康のあらゆる面に大きなダメージを与える。たとえば、砂糖はあなたから元気を奪い、うつを引き起こす。
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最近、私は、ある男性からこんな話を聞いた。彼は、コーラが大好きで毎日4〜5杯飲んでいたが、砂糖が大量に含まれていることを知って飲むのをキッパリやめた。最初の3日間ほど、コーラを飲みたいという衝動にかられたが、それを我慢すると、飲まなくても平気になった。それでどういう結果になったのか?
コーラを断って1ヶ月後、彼の体重は7キロ減り、体がギュッと引き締まった。それ以上に彼を喜ばせたのは、頭がスッキリし、アイディアがたくさん浮かぶようになったこと、以前にくらべ、食べものがおいしく感じられるようになったことでだ。そして今、彼がコーラを口にすると、甘ったるくて、イヤな気分になるというではないか! 砂糖は人を太らせ、味覚を狂わせ、頭をボンヤリさせることがわかった。砂糖は、味こそ甘いもものの、ヒトの脳と体の健康を損なう恐ろしい毒物なのである。
また、ある婦人は、餅菓子、チョコレート、クッキー、キャンディなど大量の砂糖を含んだ食べものを食べると、気分が落ち込んだり、イライラしていた。彼女のように、甘いものを食べると、うつ、イライラ、怒り、不安、疲労などに襲われる人はとても多い。こんなときに病院に行くと、ほぼ確実に「うつ病」と診断される。そして、抗うつ薬、睡眠薬、抗不安薬などが自動的に処方さる。
これらの薬は副作用が強いだけでなく、依存性がある。やめようとしても、やめられない。10年、20年と依存性の薬を飲みつづけ、ひどいケースでは、自殺にいたることもある。
これは脅しでも誇張でもない。うつのために精神科や心療内科を受診する人が、わが国で毎年、増えた。厚生労働省の調査によると、うつの患者は、1999年以前は年間約44万人だったが、2008年には約104万人(2011年、約96万人)に達した。
わが国で、うつの通院患者は、最近の10年で2.4倍に増加した。これは、あくまで病院を訪れた患者を調べたものだから、実際のうつの患者数は500万人とも見積もられている。患者の増加とともに、抗うつ薬の売り上げは急増し、年間1000億円に達したが、うつの患者は増えつづけている。はからずも、抗うつ薬が効かないことが証明された。なぜ、抗うつ薬が効かないのか? それは、うつのおもな原因が砂糖の大量摂取にあるからだ。その詳細は拙著「砂糖をやめればうつにならない」(角川oneテーマ21)をご参照ください。