本物の薬でなくても、偽薬を飲んでも効果がある。これをプラシーボ効果という。そんなことは分かっている、と読者はおっしゃるかもしれない。だが、ここで大発見を紹介する。

長らくプラシーボが効くのは、患者が本物の薬を飲んでいると信じているから、と信じられてきた。要するに、偽の薬を本物と偽って患者に飲ませて効果を発揮してきた。しかし、新しい研究で、この大前提が揺らぎ始めた。すなわち、プラシーボは患者を騙すことなく、処方されても、効果があるということだ。

プラシーボは有効成分をまったく含んでいないにもかかわらず、効果があることが多い。実に、アメリカの多くの医師、たぶん50%近くが患者にプラシーボを与えている。だが、このやり方は倫理的に疑問がある。何といっても医師が患者を騙しているのだから、気がとがめる。

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そこでハーバード大学医学部のテッド・カプチャック博士のグループが、患者を騙すことなく、正直にプラシーボであることを患者に伝えてもなおかつ、プラシーボ効果を発揮するかどうかを調査した。

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