ワーブルグ効果の話を続ける。

「ここに2つのエンジンがあるとしよう。1つは石炭を完璧に燃焼できるエンジン、もうひとつは石炭を完璧に燃焼できないエンジンだ」。これは、1956年、ワーブルグが、がんはエネルギーの問題であるという彼の仮説への批判に反論して書いたものである。「エンジンの構造と目的について何も知らない者でも違いがわかるだろう。たとえば、匂いを嗅いでみればいい」

Pixabay

完全燃焼とはワーブルグのたとえでいうと「呼吸」のことである。不完全燃焼とは栄養素を酸素なしでエネルギーに変換すること、つまり「発酵」を指す。細胞が酸素を必要とする時に酸素が迅速に届かないこともある。たとえば、高い強度の運動をするとき、筋肉は発酵を利用する。そんなケースにおける有効なバックアップが発酵なのである。

ワーブルグはがん細胞そのものに欠陥があるため、呼吸を利用できないと考えたが、今では、これは間違いとされる。現代の研究者は、増殖するがん細胞のサイトをまるで建設現場のようだと説明する。ワーブルグ効果によって、より多くのトラックがブドウ糖という建築材料を娘細胞の作成のために運び込むことができる。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録はお済みですか? 会員について